最近、少しずつではありますが、設計事務所に依頼して家を建てたいと言う方が増えてきています。
しかし、設計事務所ならどこでも良い家が設計できるのかというと決してそうではありません。
設計事務所に依頼する場合はその設計者の力量に家の品質が大きく左右されます。
設計事務所とはどのようなところなのかまとめてみました。
設計事務所の業務として大きく2つに分類されます。
一つは設計業務、もう一つは監理業務(施工業者の行う施工管理とは違います)です。
工務店、ハウスメーカーなど設計施工一貫の業者では設計料の表記がなされていない場合もあり ますが、設計には以下に表示しただけの労力と人件費が必要になってきます。
これがサービスされるということは不思議に感じるかもしれません。
ここには設計施工一貫の問題点があり、設計料が建築工事の何百、何千という見積項目の中に振 り分けられているのが実際です。
これでは工事金額の適正価格を見出せず、建築主の立場を守るどころか不利にしかねない場合も あります。
建築士は建築主の代理人として責務を果たし、施工業者との信頼関係のもとに『より安く、より 快適に、より安全な建築』を導いていく業務です。
以上のような内容が設計業務となります。
建築工事において、建物の基本性能に関わる大部分は、竣工後、外部からの確認ができない状態 となります。
建築主が安全な建物を手に入れるためにも監理者は、幾度となく建築現場へ足を運び、施工の品 質と精度を確認する必要があると考えております。
設計業務・監理業務あわせて一般住宅で10ヶ月〜12ヶ月のお付き合いになります。
建築では竣工が終わりではなく、建築主をはじめいろんな方々のお力添えのもとに誕生し、やっ とスタートラインに立てたわけです。
建築主と共に成長し続けていく建築をいつまでも見守ってゆきたいと思います。
決してそのようなことはありません。
庶民のためのローコスト住宅を設計することの方が多いといえます。
都心などでは狭小の敷地が多く、さまざまな法規制をクリアし、これから始まる新しい生活を、 ご予算に合わせた快適な居住空間を提案することが設計事務所の仕事と考えております。
マスコミに登場する建築家の設計する家には確かに特殊な物が多く登場しますが、これはマス コミが新しいもの、特殊なものを特に選んでとりあげているからではないでしょうか。
設計事務所の設計する家は確かにハウスメーカーや工務店の作る家とは一味違うものが多の ですが、これは決して建築士が独断で設計したものではなく、建築主様と綿密な打ち合わせを繰 り返した結果、建築主様と一緒に創り上げた賜物なのです。
優秀な建築士は決して施主の意見を無視するものではありません。
建築主様の意見をよく聞き、その上に自分の創意工夫であなたのためだけの家を創り上げるの が優秀な建築士といえると思います。
計料はかかりますが、ハウスメーカーや工務店でも設計にかかる経費が0なわけではありませ ん。
実際には経費がかかっていても工事費の中に含んでしまって、設計無料としていたり、きわめ て少ない設計料に見せかけているにすぎません。
我われ『住まいの研究会』では、どう設計すればローコストでハイパフォーマンスな家を提供 できるのか、研究しています。
ハウスメーカーの標準仕様からはずれた自由設計の家なら設計事務所に依頼した方が安くな る場合の方が多くなるのはこういう理由からです。
専門の建築士をあなたの家づくりにために雇うことを考えるとある程度の報酬を支払うに十 分なメリットがあると思います。
以上、第1回「建築家とハウスメーカーの違い」の資料の抜粋より